Gemini・Copilotのメモを社内様式の正式な議事録にする方法
会議が終わると、GeminiやCopilotが要約を出してくれる。それでも、「このまま部長に回すのは気が引ける」「稟議に添付する体裁になっていない」と感じて、結局手で書き直している——そんな方は少なくないはずです。
AIのメモと正式な議事録の違いは、内容の正しさより「様式」にあります。 決定事項と議論が分かれているか、宿題に担当者と期限があるか、社内の見出しと文体にそろっているか。この記事では、Meet・Teams・Zoomの標準のAI機能が作るものと、正式な議事録に必要なものを並べたうえで、その差を埋める手順をまとめます。
確認日:2026年10月19日。各社の公式ヘルプで確かめた内容です。利用できる機能は、契約やライセンス、組織の設定によって異なり、仕様は変わることがあります。出典は記事末尾にまとめています。
Google Meetで自動メモが既定オンになった件(対象・管理者の対応・社外参加者への告知文例)は、Google Meetの自動メモが既定オンに|管理者の対応と告知文例にまとめています。
標準のAI機能が作るもの(2026年10月19日確認)
各社の公式ヘルプに書かれている範囲を、事実だけ並べます。
| 会議ツール | 公式ヘルプに書かれている内容 | 文字起こしの保存・取得 |
|---|---|---|
| Google Meet | Geminiの自動メモ(「Take notes for me」)が、会議メモをGoogleドキュメントとして作成し、チームと共有できる | 会議の主催者のGoogleドライブの「Google Meet」フォルダに保存される |
| Microsoft Teams | Copilotが、主要なディスカッションポイントを要約し、アクション アイテムを提案する。会議後に質問するには、会議中にライブ文字起こしをオンにする | 既定では、主催者と共同主催者が .docx または .vtt でダウンロードできる |
| Zoom | Zoom AIのミーティング要約が、メールで送られる。要約テンプレートは、管理者が有効にしたものから選ぶ(Business 以上のアカウント) | 文字起こしの扱いはZoomの公式ヘルプで確認 |
条件も公式ヘルプに書かれています。Zoomのミーティング要約は、Zoom Workplace Pro・Pro Plus・Business・Business Plus・Enterprise・Enterprise Plusのいずれか、またはEnterprise Bundleのアカウントのライセンスユーザーが対象です。Meetの自動メモは、対象のGoogle Workspaceエディションまたは Google AI プランが必要です。Teamsでは、会議の開催者が、Copilotを使えるかどうかを会議ごとに設定できます。
詳細は、各社の公式ヘルプをご覧ください。出典は記事末尾にあります(英語のページを含みます)。
いずれも、会議の要点や次のアクションを自動でまとめる機能です。社内に回す文書にするときは、会社ごとの様式にそろえる作業が別に生じます。
正式な議事録に必要なもの
会社によって様式は違いますが、社内に回す議事録には、おおむね次の要素が求められます。
- 会議の基本情報 — 会議名・日時・場所(会議ツール)・出席者(社外の方は会社名と敬称つき)・作成者
- 議題ごとの整理 — 議題と、そこで話された要点
- 決定事項 — 「決まったこと」だけを、議論の経過と分けて書く
- 宿題(アクションアイテム) — 誰が・何を・いつまでに。担当者と期限のない宿題は、宿題として機能しません(書き方はアクションアイテムとは)
- 保留・次回への持ち越し — 決まらなかったことを、決まらなかったと明記する
- 稟議に添付する場合 — 決定内容・決定の理由と背景・承認者欄
- 文体と敬語 — 社内向けは である調、社外配布は です・ます調、などの社内ルール
要約と正式な議事録で、確認する点
メモや要約を議事録にするときは、次の6点を確認します。どのツールの出力でも同じ観点で使えます。
| 観点 | 正式な議事録で求められる状態 | 確認のしかた |
|---|---|---|
| 決定事項 | 決定事項だけを独立した見出しで書く | 議論の経過と同じ段落に混ざっていないか |
| 宿題 | 全項目に担当者と期限がある | 担当者・期限が空の項目がないか |
| 見出し | 社内様式の見出し(議題・決定事項・宿題・承認者欄など) | 社内の雛形と並びが同じか |
| 文体 | 社内ルールに合わせた である調/です・ます調 | 文末が統一されているか |
| 固有名詞 | 社内の正式表記にそろっている | 社名・製品名・人名の表記ゆれがないか |
| 出席者 | 部署・役職・社外の方は会社名と「様」 | 表示名のままになっていないか |
これは機能の優劣ではなく、メモと議事録の目的の違いです。メモは「参加者が思い出すため」、議事録は「参加していない人が読んで判断するため」のものだからです。
例:メモから議事録へ(架空の会議)
要約メモのイメージ(架空の例です。特定のツールの出力ではありません):
・新サービスの価格について議論。月額案で進める方向。
・次のステップ:見積もりの作成、法務確認
社内様式の議事録(である調)にすると:
【決定事項】
1. 新サービスの価格体系は月額課金とする。
理由:初期費用を抑えたいという既存顧客の要望が多いため。
【宿題】
- 営業部 田中:見積書(月額案)を作成する。期限 10月21日
- 法務部 佐藤:利用規約の改定要否を確認する。期限 10月24日
【保留】
- 年額割引の有無は、次回の会議で決める。
「方向」は「とする」に、「次のステップ」は担当者と期限つきの宿題に、決まらなかったことは保留に——この書き分けが、正式な議事録の仕事です。
差を埋める手順
手順1:元にするのは「要約」ではなく「文字起こし」
要約に含まれなかった発言や、決定の理由は、要約からは確認できません。議事録の元には文字起こし(トランスクリプト)を使い、AIの要約は見比べる確認用に回す方法があります。
- Google Meet — 主催者のGoogleドライブの「Google Meet」フォルダにある文字起こしを開き、本文をコピーする
- Teams — 会議の記録から文字起こしを .vtt で保存する(.docx で保存した場合は本文をコピーする)。Teamsで文字起こしが取れないときの確認点はTeamsで文字起こしできない原因と対処にまとめています
- Zoom — 文字起こしを保存し、.vtt・.srt・.txt のいずれかのファイルか、本文のコピーで用意する(保存の手順はZoomの公式ヘルプで確認)
手順2:社内様式と文体を先に決めておく
毎回あとから直すより、型と文体を先に決めて、そこに流し込むほうが、担当者による差が出にくくなります。様式がまだない場合は、議事録テンプレート完全ガイドの型から始めると決めやすいです。
手順3:取り込んで、型どおりに生成する
Kaigi AIでは、手順1の文字起こしを取り込み画面に渡すと、音声を再度文字起こしすることなく議事録に整えます。
- 設定画面で議事録の型(標準・議事録・稟議向け・5W1H)と文体(です・ます調・である調・社内カジュアル)を選ぶ。社内の見出しに合わせたカスタムテンプレートも作れます(作れる数はプランによります)。
- 社名・製品名・人名などを用語辞書に登録しておく。
- 取り込み画面で、.vtt・.srt・.txt ファイルを読み込むか、本文を貼り付ける。「名前: 発言」の形の行やVTTの話者タグは、話者名として読み取ります。
- 数分で、**会議概要・決定事項・アクションアイテム(担当者・期限つき)**が、選んだ型と文体で生成されます。
稟議向けの型では、決定内容に加えて決定の理由・背景と承認者欄を含む形で出力します。
補足:取り込みも月間の利用枠に計上されます。1回に取り込める文字数には上限(20万文字)があるため、極端に長い会議は分けて取り込んでください。
手順4:人が確認して、仕上げる
AIが整えた議事録も、最後は人が確認します。決定事項は画面上で直せて、仕上がったらWord・PDF・TXTでダウンロードできます。確認するときは、次のチェックリストが使えます。
- 決定事項は「〜とする」「〜に決定」の形で、議論の経過と分かれているか
- 宿題のすべてに担当者と期限があるか
- 決まらなかったことが「保留」として残っているか
- 出席者の表記(部署・役職・社外の方の会社名と「様」)がそろっているか
- 社名・製品名・人名が正式な表記になっているか
- 文体が社内ルール(である調/です・ます調)で統一されているか
- 稟議に添付する場合、決定の理由と承認者欄があるか
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議事録の用途で分ける
すべての会議を正式な議事録にする必要はありません。会議の用途で、次のように分けて考えられます。
- 社内の短い定例や、参加者だけが見返すメモなら、各ツールの要約を、そのまま参加者の記録として使う運用もあります。
- ChatGPTなどに文字起こしを貼り付けて整形する方法もあります。詳しくはChatGPT・NotebookLMで議事録は作れる?で整理しています。
正式な議事録が求められるのは、参加していない人が読んで判断する会議——稟議に添付する会議、取引先と合意した内容を残す会議、経営層に報告する会議などです。そうした会議に絞って、型と文体のそろった議事録にする分け方があります。
まとめ
- Meet・Teams・Zoomの標準のAI機能は、会議の要点や次のアクションを自動でまとめる機能。
- 正式な議事録との差は様式——決定事項と議論の区別、担当者と期限、社内の見出し、文体と敬語。
- 正式な議事録の元には、要約ではなく文字起こしを使う方法がある。
- 型と文体を先に決めて流し込み、最後は人がチェックリストで確認する。
- Kaigi AIの取り込み画面では、.vtt・.srt・.txt の読み込みか貼り付けで、選んだ型と文体の議事録に整えられる。
出典(2026年10月19日確認)
- Google Meet ヘルプ:Google Meet の「自動メモ生成」・Google Meet で文字起こしを使用する
- Microsoft サポート:Teams で Microsoft Copilot を使用して会議に追いつく・Start, stop, and download live transcripts in Microsoft Teams meetings(英語)
- Zoom サポート(英語):Using Meeting Summary with AI・Using meeting summary templates
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