マンション理事会議事録の書き方と記入例
輪番で理事長や書記になった方が、理事会と総会の議事録を書くときに確かめることを1ページにまとめました。総会の議事録は区分所有法の条文で、理事会の議事録は管理規約で決まります。
本ページの法令の記述は、建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)の条文(e-Gov法令検索、2026年10月19日確認)にあたって確かめた範囲のものです。個別の判断は、管理規約とマンション管理士・弁護士などの専門家にご確認ください。
まず押さえる3点
- 総会(集会)の議事録は、区分所有法42条1項により議長が作ります。書記が下書きをしても、作成の義務は議長にあります。
- 総会の議事録には「議事の経過の要領及びその結果」を書きます(42条2項)。書面で作るときは、議長と出席した区分所有者2人が署名します(42条3項)。
- 区分所有法には「理事会」の条文がありません。理事会の議事録の作り方・署名・保管は、ご自分の管理組合の管理規約で確かめてください。
誰が作るか(理事長・書記・議長)
総会の議事録は議長が作る
集会の議事について、議長は書面または電磁的記録で議事録を作らなければなりません。議長は、規約に別段の定めがある場合や別段の決議をした場合を除き、管理者または集会を招集した区分所有者の1人が務めます。
区分所有法 42条1項・41条(e-Gov・2026年10月19日確認)
理事会の議事録は管理規約で決まる
区分所有法には理事会についての条文がありません。誰が議事録を作り、誰が署名し、どこに保管するかは、それぞれの管理組合の管理規約と理事会の運営の決まりで確かめます。
区分所有法(全文に「理事会」の語なし)(e-Gov・2026年10月19日確認)
書記の役割は下書きと確認の段取り
書記が録音やメモから下書きを作り、議長(理事会なら規約で決めた人)が内容を確かめて署名する、という分け方ができます。下書きを誰が作っても、総会の議事録を作成する義務は議長にあります。
区分所有法 42条1項(e-Gov・2026年10月19日確認)
議事録に書くこと
総会の議事録に法律が求めるのは「議事の経過の要領及びその結果」です(区分所有法42条2項)。
- 開催日時・場所(オンライン併用ならその旨も)
- 出席者(理事・監事。総会なら出席した組合員の数・議決権の数・委任状と書面による議決の数)
- 議案ごとの議事の経過の要領
- 決議の結果(賛成・反対の数、可決・否決)
- 継続協議にした事項
- 次回までの宿題(担当と期限)
- 議長と署名者の氏名・署名
理事会の議事録に何を書くかは管理規約で確かめます。上の項目を入れておけば、あとから決定の経緯を追いやすくなります。
理事会議事録の記入例(架空のサンプル)
架空架空の管理組合の理事会を想定した記入例です。団体名・人物はすべて架空で、人名の代わりに「理事A」のように書いています。
【架空の記入例】サンプル台マンション管理組合 第12回 理事会 議事録
日時:2026年5月17日(日)10:00〜11:30
場所:集会室(1名はオンラインで参加)
出席:理事5名中5名、監事1名
議長:理事長(理事A)
書記:理事B
■ 報告事項
1. 管理費等の収納状況(4月分)
会計担当の理事Cが報告した。質疑なし。
■ 議案と決議
第1号議案 駐輪場の利用ルールの変更
議事の経過:理事Dが、空き区画の割り当てを抽選に改める案を説明した。
理事Eから、抽選の時期を総会の前にしたいとの意見があった。
決議の結果:賛成5・反対0により、原案どおり可決した。
第2号議案 植栽の剪定業者の選定
議事の経過:見積りが2社分しか揃っていないため、3社目の見積りを待つこととした。
決議の結果:継続協議
■ 継続協議事項
・植栽の剪定業者の選定(次回の理事会で決める)
■ 次回までの宿題(担当・期限)
・理事D:駐輪場の新しいルールを掲示板に掲示する(5月31日まで)
・理事E:剪定業者の3社目の見積りを取る(6月10日まで)
■ 次回の理事会
2026年6月21日(日)10:00 集会室
以上の議事の経過と結果を明らかにするため、この議事録を作成し、署名する。
議長(理事長) 理事A (署名)
理事 理事B (署名)
理事 理事C (署名)署名欄の人数と顔ぶれは、理事会なら管理規約の定めに合わせます。総会の議事録を書面で作るときは、議長と、総会に出席した区分所有者2人の署名欄を設けます(区分所有法42条3項)。
署名
総会の議事録を書面で作るとき
議長と、集会に出席した区分所有者の2人が署名します。
区分所有法 42条3項(e-Gov・2026年10月19日確認)
総会の議事録を電磁的記録で作るとき
議長と、集会に出席した区分所有者の2人が、法務省令で定める「署名に代わる措置」を執ります。
区分所有法 42条4項(e-Gov・2026年10月19日確認)
理事会の議事録
区分所有法に定めがないため、署名する人と人数は管理規約で確かめます。
区分所有法(理事会の条文なし)(e-Gov・2026年10月19日確認)
保管と閲覧
保管するのは管理者
総会の議事録は管理者が保管します。管理者がいないときは、建物を使用している区分所有者またはその代理人で、規約または集会の決議で定める人が保管します。
区分所有法 42条5項(33条1項を準用)(e-Gov・2026年10月19日確認)
利害関係人から閲覧を求められたら
保管する人は、利害関係人の請求があれば、正当な理由がある場合を除いて閲覧を拒めません。
区分所有法 42条5項(33条2項を準用)(e-Gov・2026年10月19日確認)
保存の年数
区分所有法42条・33条に、議事録を何年保存するかの定めはありません。理事会の議事録とあわせて、管理規約の定めを確かめてください。
区分所有法 33条・42条(e-Gov・2026年10月19日確認)
録音から下書きを作る
録音をアップロードすると、議事の経過・決議事項・アクションアイテムを整理した下書きができます。記載事項の確認と署名は理事長・書記が行う前提で、清書の手間を減らすための道具です。
よくある質問
Q.理事会の議事録に署名は必要ですか?
区分所有法には理事会の条文がないため、署名の要否と署名する人は管理規約で決まります。総会の議事録を書面で作る場合は、議長と出席した区分所有者2人の署名が必要です(42条3項)。
Q.書記が議事録を作ってもよいですか?
下書きは書記が作れます。総会の議事録を作成する義務は議長にあるので(42条1項)、議長が内容を確かめてから署名する段取りにします。
Q.議事録は何年保存すればよいですか?
区分所有法42条・33条に年数の定めはありません。保管するのは管理者で(33条1項の準用)、年数は管理規約で確かめます。
Q.議事録を電子データで作ってもよいですか?
総会の議事録は書面または電磁的記録で作れます(42条1項)。電磁的記録の場合、議長と出席した区分所有者2人が、法務省令で定める署名に代わる措置を執ります(42条4項)。
議事録の下書きを、会議のあとすぐに
録音をアップロードすると、議事の経過・決議事項・アクションアイテムを整理した下書きができます。記載事項の確認と署名は理事長・書記が行う前提で、清書の手間を減らすための道具です。