デジタル化・AI導入補助金2026でAI議事録ツールを導入する方法 — 補助率と対象を公募要領で確認する
中小企業の経営課題の一つが「業務効率化」です。特に営業や企画、マネジメント層が費やす会議時間は膨大で、その後の議事録作成は手作業に頼るところが大半です。
そこで注目されるのが「AI議事録ツール」です。音声をリアルタイムで文字起こしし、自動で要約・整形する技術により、議事録作成の時間を劇的に短縮できます。しかし導入コストがネックになるケースも多いでしょう。
2026年度より、従来の「IT導入補助金」が「デジタル化・AI導入補助金」に変わりました。本記事では、この制度でAI議事録ツールの導入費に補助を受けられるのか、補助率はいくつなのかを、公募要領に書かれている内容だけにもとづいて整理します(2026年8月23日に確認)。
2026年8月23日 全面見直し: 初出時、本記事は「小規模事業者は賃上げ等の要件で最大4/5(80%)」と書いていました。公募要領を読み直したところ、4/5が適用されるのはインボイス枠の一部だけで、賃上げは補助率の引き上げ条件ではありませんでした。該当箇所を訂正しています。
デジタル化・AI導入補助金2026とは
デジタル化・AI導入補助金2026は、2026年度より新たに開始された制度です。従来の「IT導入補助金」から名称が変わり、生成AIをはじめとするAI技術の導入をより明確に補助対象とした ことが大きな変更点です。
対象企業:
- 従業員数2,000人以下の中小企業・小規模事業者
- 個人事業主も対象(一定要件あり)
補助金を使わずとも、個人事業主・フリーランスなら無料プランや月額1,980円から始められます。個人事業主・フリーランス向けAI議事録ツールの選び方もあわせてご覧ください。
補助率(2026年8月23日に公募要領(通常枠)で確認):
補助率は枠と事業者規模で決まります。「賃上げをすれば4/5」ではありません。
| 枠 | 中小企業 | 小規模事業者 |
|---|---|---|
| 通常枠 | 1/2以内 | 1/2以内 |
| セキュリティ対策推進枠 | 1/2以内 | 2/3以内 |
| インボイス枠(インボイス対応類型)のITツール50万円以下の部分 | 3/4以内 | 4/5以内 |
- 通常枠の1/2が2/3以内に上がるのは、令和6年10月〜令和7年9月に最低賃金未満で雇用していた従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上ある事業者の場合です(賃上げ要件ではなく、最低賃金近傍であることの要件です)。
- 4/5が適用されるのはインボイス枠の50万円以下の部分だけで、それを超える部分は補助率が下がります。AI議事録ツールの導入費全体が一律で8割補助になるわけではありません。
AI議事録ツールは対象になるのか(2026年8月23日時点の確認結果):
公募要領の本文に「議事録」「文字起こし」「音声」という語は一度も出てきません。AI議事録ツールは汎用プロセス「汎P-07 汎用・自動化・分析ツール」に当たり得ますが、公募要領には**「『汎用プロセス』のみを保有するITツールは、単独では交付申請できない」**と明記されています。業務プロセス(共P-01〜各業種P-06)と組み合わせた構成が必要です。導入を検討する際は、必ずITツール検索で登録の有無と、登録されたIT導入支援事業者を確認してください。
締切(2026年8月23日に公式スケジュールで確認): 第1次締切 2026年8月25日(火)17:00/交付決定 2026年10月7日(水)予定/事業実施期限 2027年3月31日。第2次以降の締切日は本稿執筆時点で未公表です。
2026年のAI議事録市場の進化
2026年のAI議事録ツール市場は、単なる文字起こしから、より高度な機能へ進化しています。会議の文字起こしだけでなく、決定事項の抽出、アクションアイテムの自動整理、さらには次回会議の資料構成案まで自動生成するツールが登場しています。
国内市場ではOtolio(旧スマート書記)がシェアトップを占め、Notta、AI GIJIROKUなども急速に利用者を増やしています。2026年1月にリリースされた「Notta Brain」は、会議の音声データと社内資料を統合分析し、プレゼン資料の構成案や図解画像まで自動生成する先進的な機能を備えています。
AI議事録ツール導入の実際のメリット
効果の大きさは、会議の本数と、議事録に求める仕上がりで決まります。以下は仮定を置いた計算例です(当社の顧客実績ではありません)。週に4.5時間を議事録作成に使っている担当者が、AIの草稿を確認・修正する運用に切り替えて週45分になったとすると、時給3,000円換算で週あたり約11,000円分の時間が空く計算になります。ご自身の会議本数と時給を当てはめてお読みください。
金額に表れない効果として、会議中にメモを取ることから解放され、議論そのものに参加できるようになる点があります。
補助金申請資格と補助率を最大化する条件
補助金の補助率を最大化するには、「小規模事業者」の資格を満たし、さらに一定の要件をクリアする必要があります。
小規模事業者の定義:
- 製造業・建設業・運輸業:従業員20人以下
- その他の業種:従業員5人以下
給与に関する要件(同・公募要領で確認):
補助金額150万円以上を申請する場合の必須要件です。補助率を引き上げるための条件ではありません(150万円未満の申請では加点の扱いです)。
- 賃金要件: 1人当たり給与支給総額(非常勤を含む全従業員)の年平均成長率が3%以上。※IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は3.5%以上
- 最低賃金要件: 事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上に設定
- SECURITY ACTION宣言: 情報セキュリティ対策の自己宣言
要件の充足可否は事業者ごとに異なります。申請前に公募要領の該当条項を必ずご自身でご確認ください。
申請から導入までの流れ
申請は以下のステップで進みます。
1. 資格確認と準備(1~2週間)
- GBizIDプライムアカウント取得
- SECURITY ACTION宣言の実施
- 自社の業種・従業員規模の確認
2. 補助対象ツールの選定(1~2週間)
- デジタル化・AI導入補助金のITツール検索で、登録済みの対象ツールをAI機能付きで絞り込み
- 登録ツール一覧の中から、自社の要件に合うものを比較検討(補助金の対象は事務局に登録されたツールに限られます)
3. 申請書類の作成と提出(2~3週間)
- 事業計画書の作成
- 導入予定ツールのカタログ取得
- 必要書類一式の提出
4. 採択・契約・導入(2~3ヶ月)
- 採択結果の発表を待つ
- 契約締結
- 実装・利用開始
5. 完了報告・請求(導入後1ヶ月以内)
- 導入完了報告
- 見積書・請求書の提出
- 補助金の払い込み
AI議事録ツール選びの3つのポイント
補助金を活用する際、ツール選びは慎重に行う必要があります。以下の3点を確認しましょう。
1. 日本語対応の精度 AI議事録ツールは音声認識が要です。敬語や業界用語への対応精度が低いと、修正に時間がかかります。Whisper large-v3など最新の音声認識モデルに対応したツールを選ぶことが重要です。
2. 会議形式への対応 ZoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsなど、自社が利用する会議ツールに対応しているかを確認しましょう。自動参加型と手動参加型があります。
3. データ保管地とセキュリティ 特に金融・医療・法務などセンシティブな情報を扱う企業は、データの保管場所とセキュリティ対策が重要です。Kaigi AIはAWS Tokyo(ap-northeast-1)でのデータ保管により、日本国内での情報管理を実現しています。
実装例:中小企業が得られる効果
具体例で考えてみましょう。従業員15名の中小企業で、営業会議(週1回1時間)と企画会議(週2回1時間)が開催されているケースです。
現状:
- 議事録作成時間:週3時間(管理職が担当)
- 管理職の時給換算:3,000円
- 月間の時間コスト:約36,000円
AI議事録ツール導入後:
- 議事録作成時間:週30分(確認・修正のみ)
- 月間の時間短縮:10.5時間 × 3,000円 = 31,500円の削減
- 年間効果:378,000円
補助対象ツール(月額10,000円、年間120,000円)を通常枠(補助率1/2以内)で導入できた場合、実質負担は年間60,000円という計算になります。補助率・採択の可否・対象経費の範囲は枠と審査によって変わりますので、上記はあくまで前提を置いた試算としてお読みください。
まとめ
デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)は、AI導入を明確に位置づけた制度です。ただし補助率は枠と規模で決まり、AI議事録ツールが単独で対象になるとは限りません。「最大4/5」「上限450万円」といった数字は最も条件のよい枠のものなので、自社に当てはまる枠の補助率を公募要領で確認してから計画を立てるのが確実です。
AI議事録ツールは、単なる「手作業の削減」ではなく、経営層・マネージャー層の思考時間を確保し、経営判断の質を向上させる投資です。補助金制度をうまく活用すれば、初期投資のハードルもぐんと低くなります。
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なお、Kaigi AI は補助金の登録ツールではありません。月額1,980円から・無料60分でお試しいただけるため、補助金を待たずに今日から導入できます。
まずは無料プランで、AI議事録の品質と効率化の実感をご確認ください。
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データの保管はAWS東京リージョン。文字起こしはOpenAI、AI処理はAnthropic(いずれも米国)が担当します。
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Kaigi AI編集部
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